花粉症対策に効果的な換気扇の選び方
春先になってくると花粉症で悩む方も多いでしょう。今回は新築を建てる際には必ず注意してほしい換気について。換気の方式を変えるだけで、室内にいる時の花粉症の症状を抑えることができる可能性があります。家族の中に花粉症の方がいる方は必見の内容です。
最近は暖かくなってきて、服装も軽やかになってきましたね。
しかし、同時に多くの方を悩ませている「花粉症」の季節でもあります。
今回は、家族の中に花粉症の方がいる場合、新築時にできる対策方法の1つである換気扇の選び方をお伝えします。
それでは、まず今回の記事の要点です。
・住宅の一般的な換気方法としては、3種換気と1種換気がある ・花王の調査では、室内に取り込む花粉の量の約6割は換気によるもの ・花粉を室内に取り込みにくい換気方式は、フィルターが付いているダクト式1種換気 ・新築市場の約2割程度しか普及していない換気方式であり、ご家族の中に花粉症の方がいる方は換気方式に注意して新築を検討しましょう |
1. 換気方式は大きく分けて2種類ある
住宅では、24時間換気を行うことが建築基準法で義務付けられています。
まずは、その換気について基本的なポイントである2つの換気方式を解説していきます。
1-1. 3種換気
出典:パナソニック一部編集
3種換気とは、もっとも一般的な換気方式で排気(室内の空気を外に出す)を換気扇で行い、給気(外気を室内に取り込む)は給気口から取り込む方式です。
新築の約8割がこの換気方式で、リビングから外気を取り入れて、トイレやお風呂の換気扇から空気を外に出します。
3種換気は、換気にかかるコストが安い一方、換気が計画通りできない、もしくは花粉を含む外気をダイレクトに取り込んでしまうデメリットがあります。
1-2. 1種換気
出典:パナソニック一部編集
一方で、給気と排気それぞれを換気扇で行う方式を1種換気と言います。
1種換気の場合、より多くの換気扇が必要となることや、ダクト式と呼ばれる方式の場合は3種換気に比べて初期コストがかかります。
ただし、その分メリットは大きく「換気がしっかりできること」、そして肝心の花粉症対策として有効な特徴があります。
和光地所でも、このようなメリットを優先して【LIKE STYLE】標準仕様には熱交換型1種換気を採用しています。気になる「花粉に関する特徴」を詳しく紹介します。
2. 換気で花粉の取り込み量は変わる
上図は花王が行った花粉の室内侵入経路と、その量を表した表です。
自然換気を含めて換気から入り込む花粉の量が約6割となっており、換気対策がいかに重要か、がわかります。
その他、外干しした時の洗濯物や、帰宅時に自分の髪やコートを払うだけでも、室内に取り込む花粉量を減らすことができます。
2-1. 花粉や粉塵を取り除いて換気できるシステム
出典:パナソニック一部編集
上図のように、1種換気では換気扇本体から各部屋にダクトで新鮮な空気を送るタイプがあります。
1種換気では、このような「ダクト式」と呼ばれるタイプが主流になっています。
このダクト式のメリットは、こちらのとおりです。
・各部屋に新鮮な空気が行き届く ・本体にフィルターが搭載されているため、花粉や粉塵を取り除いて給気してくれる ・各部屋に給気用の穴が壁にないため、各部屋の防音性が高くなる |
主に上記3つのメリットがあります。
特に2つ目のメリットは、この花粉症の季節には重宝する特徴です。
出典:パナソニック
上図のような2層構造のフィルターになっており、花粉をはじめとした外気のゴミ・粉塵を除去してから家の中に新鮮な空気を取り入れます。
一般的な3種換気の場合は、目の粗いフィルターがついているものもありますが、花粉など細かい物質は入り込んできてしまいます。
これにより、一般的な3種換気や壁付け1種換気に比べて、室内に取り込む花粉の量を減らすことができます。
3. ダクト式1種換気のよくあるQ&A
それでは、よく聞くQ&Aで疑問を解消していきましょう。
3-1. 排気ダクト内部にホコリがたまる?
ダクト内部にホコリがたくさん積もった写真を見たことがある方もいるのではないでしょうか?
こういった写真の多くはキッチンの「レンジフード」のダクト、もしくは室内→室外に向かって排気するダクトの写真です。
部屋の中のホコリが、ダクトの中に少なからず堆積はするものの、空気が外に向かって流れているため、ホコリが室内に逆流してくることはありません。
また、ホコリがたまり過ぎて空気の流れが悪くなる?と思う方もいるでしょう。
しかし、結論から言えば10年、15年では換気風量に影響をおよぼすようなホコリ量にはなりませんので、ご安心ください。
そのため、「掃除しないと病気の原因になる」「空気が汚れる」というのは「よくあるデマ」なので注意しましょう。
3-2. 掃除は大変?
出典:パナソニック
和光地所で採用しているパナソニックのシステムの場合、フィルターが2層になっています。
細かい虫などを除去するフィルターについては1~数か月に1度、掃除機で細かいゴミを取り除く必要があります。
ただし一般的な3種換気の場合でも、1~数か月に1度は各部屋についている給気口のフィルターを掃除して頂くことが推奨になっています。
そのため、各部屋についているフィルターを1個ずつ掃除することに比べ、集中換気システムはフィルターが1つに集約されているため、掃除は1回で済みます。
3. まとめ
今回は花粉対策として有効的な手段である、フィルターがついている換気システムを紹介しました。
現状、住宅業界ではこのような換気システムは市場全体の約2割以下の普及率となっています。
和光地所では、日本人の3人に1人は花粉症という背景も考慮して、暮らしやすい家を標準仕様でご提案しています。
ご家族の中に花粉症の人がいる方、空気質にこだわった家づくりを検討されている方は、ぜひ和光地所までお気軽にご相談ください。