室内⼲し派必⾒︕ランドリールームで気を付けるべき換気設計とは
ランドリールームではハンガーパイプや収納以外に⼤事なポイントとして、換気設計を特集します。花粉が多い季節、室内⼲しをされる⽅は換気設計がしっかりしていないと、せっかくのランドリールームも実⽤性が悪い空間に。今回の記事を参考にしてください。
今回は、注⽂住宅で注⽬度の⾼い「ランドリールーム」の空気質や、バルコニーとの関係性について解説していきます。
室内⼲しするときに気を付けたい換気設計の考え⽅や、バルコニーなどの外⼲しする場所の必要性で参考になる内容となっています。
花粉が気になる今⽇この頃ですが、1年中室内⼲しされる⽅は特に最後までご覧ください。それでは、今回のコラムの要点から⾒ていきましょう。
・ランドリールームには「空気を押し出す⼒がある換気扇」を設置することがおすすめ (シロッコファン) ・局所換気と⾔って、24時間稼働させることを前提としない換気扇の設置で、室内⼲しをするときのみに稼働させることがおすすめ ・1種換気を併⽤することで、家じゅうの空気を「ちゃんと」⼊れ替えができ、ランドリールームとの換気バランスも考えよう ・バルコニーの出現率が減っているが、防⽔処理などの側⾯でもメリットがある
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1.ランドリールームにはシロッコファンの換気扇がオススメ
ランドリールームは洗濯物を⼲して、⼀時的に多量の⽔分が室内に放出されます。
その⽔分を含んだ空気を「しっかり」換気できるかどうかで、洗濯物の乾き具合や家の寿命などを左右してきます。
まずは換気扇の基本的なポイントを解説していきます。
1-1.換気扇には⼤きく2つのファンがある
⼀般的に換気扇と聞くと、⾊々な種類を思い浮かべる⽅が多いのではないでしょうか。
壁についているプロペラが回っている換気扇、キッチンの上についている換気扇(レンジフード)、などどれも換気扇であることには間違いありません。
しかし、実はそのファンの形状によって、空気をしっかり押し出す⼒に差があります。
◆プロペラファン
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上図のようなプロペラが回るタイプは、⾵量はたくさん出るものの、静圧がとれません。
この静圧とは、空気を押し出す⼒のことを指しますが、プロペラファンはこの静圧が⽐較的弱めです。
そのため、例えば外の⾵が強いときや、室内外で温度差があるときに、プロペラが回っていたとしても、実質的に空気が送り込まれていない現象が発⽣しやすいです。
◆シロッコファン
⼀⽅で、キッチンの換気扇としてイメージされる⽅も多い「掃除するときに苦労する複雑な形状の換気扇」がシロッコファンです。
掃除でイライラしてしまう⽅も多い形状ですが、こちらのシロッコファンは実は空気を押し出す⼒が強い換気扇になります。
⻑いダクトに接続して空気を送る際も、しっかり空気を送りやすく、外⾵などの影響に対して⽐較的強い換気扇です。
ランドリールームは、湿気を含んだ空気をしっかり排出しないと、洗濯物の乾きがよくなりません。
そのため、ランドリールームに設置する換気扇は、シロッコファン(具体的には天井埋込換気扇)がおすすめです。
1-2. 局所換気と24時間換気
家を建てる時に、様々な法律を順守しているかどうか︖をチェックしますが、その中の1つに換気があります。
昔、建築資材に健康を害してしまうような物質が含まれていたことから、2時間に1回家
じゅうの空気を⼊れ替えることができる換気扇を備える法律ができました。(シックハウス症候群への対策)
そのため24時間連続でずっと運転し続けることが前提の換気扇が、どの家にも備わっています。
この換気扇は、⼀般的な家ではトイレやお⾵呂についている換気扇がその役割を果たすことが多いです。
しかし、ランドリールームがある場合は、この換気扇とは別にランドリールーム内の空気を優先的に排気する換気扇の設置をおすすめします。
ランドリールーム専⽤として、洗濯物を⼲しているときのみ換気扇を運転させることで、必要以上に室内の熱を排出せずに済みます。(これを局所換気という⾔い⽅をします)
2.家全体の換気は1種換気がおすすめ
つぎに、家全体の換気もランドリールームの換気と⼤きくかかわってきますので、換気⽅式の違いからおすすめの機種までをご紹介していきます。
2-1.1種換気と3種換気
家の換気⽅式には実は⼤きく2種類あり、1つが排気だけを換気扇で⾏う3種換気です。
アパートや昔の家ではこの⽅式がほとんどで、トイレやお⾵呂から空気を出してリビングなどから外気を取り込む換気⽅式です。
⼀⽅、家の中に空気を⼊れる(給気)も、換気扇を使う⽅式を1種換気と⾔います。
1種換気は、3種換気に⽐べて室内の空気をしっかり⼊れ替えることができ、隙間から空気が⼊り込んでくることを抑制できたりと、メリットが⼤きい換気⽅式です。
2-2.空気をしっかり⼊れ替えることができる1種換気のメリット
花粉症も多い季節ですが、1種換気の中には⾼性能なフィルターを介して給気する換気扇もあります。
⾼性能フィルターがあるタイプであれば、花粉を⼤幅に除去した空気を室内に取り込むことになるので、室内の空気質が向上します。
また、3種換気は室内の空気が滞留しやすいのですが、1種換気の場合は給気も換気扇で空気を送り込んでいるがゆえに、室内の空気がしっかり⼊れ替わります。
洗濯物⾃体から放出された⽔分を多く含んだ空気が移動しないと、乾きが悪くなるだけでなく、湿気によって家を傷める原因にもなります。
2-3.空気の流れを意識
換気設計には、居室→⽔まわり等を通って室外へ排出する、といういわばセオリーのような考え⽅があります。
これは、トイレなどの空気が居室に逆流しないようにする考え⽅ですが、ランドリールームも間取りによっては注意しないと湿気を多く含んだ空気がリビングに逆流しかねません。
そのため、換気扇の種類だけでなく空気の流れまで考えた換気設計をすることで、より⼀層実⽤性の⾼いランドリールームにすることができます。
3.外⼲し割合が減っている
出典:株式会社住環境研究所 資料
昨今、ランドリールームの出現率が増えていますが、その⼀⽅で調査機関による調査ではバルコニーがコロナ禍前に⽐べて約2割程度減少しているデータがあります。
これには住宅原価の⾼騰といった側⾯もありますが、室内⼲し派が多くなっている影響が⼤きいと考えています。
実際にプラン相談の際には、ランドリールームのご要望を頂くことも多く、肌感とデータが相関しています。
3-1.バルコニーなしプランは防⽔上のメリットも
バルコニーがない家が増えていますが、庭などに⼲せる⽅であればバルコニーを不要と考える⽅も増えています。
建築上の視点から⾒ると、バルコニーがないことで防⽔処理で気を付けるべきポイントを減らすことができます。
躯体の耐震性など、家の基本的かつ⼤事なポイントの1つに防⽔処理があり、どんな家でも定期的に防⽔処理を⾒直しして⾬漏りを防がないといけません。
バルコニーがなくなることで⽔がたまる場所が減るため、建築コスト上もメリットが⼤きく費⽤を抑えたいときにも有効な⼿段となります。
4.和光地所では熱交換型の1種換気を標準採⽤
和光地所の「Like style」と新シリーズ「Look」では、⾼性能なフィルターを搭載した1種換気を標準採⽤しています。
熱交換型になっており、換気の際に室内の温度を有効活⽤して、冷暖房費を抑える効果もあるタイプです。
また、今回ご紹介したように空気をしっかり押し出す⼒があるファンを使った換気扇になっているため、室内⼲しをしたとしても⽐較的空気を循環させる⼒が強いです。
単純にランドリールームのスペースの確保だけでなく、洗濯物の乾きのよさまで考えると、こういった換気扇の設計まで配慮した家づくりが⼤事になってきます。
和光地所では、このような細かい点も標準で配慮した設計になっていることや、坪数に応じて価格が決まっている明瞭会計も⼈気となっています。
気になった⽅はぜひ、お気軽にモデルハウスやショールームへお越しください。
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