地鎮祭・上棟式・六曜・風水ー家づくりで気になる“慣習”のアレコレ

家を建てる際の地鎮祭や上棟式、六曜・三隣亡、風水や家相、地域の慣習について解説。

必ず行う必要はなく、気にしすぎず家族が納得できる方法で取り入れるのがポイント。

愛知県の地域性も踏まえ、安心して快適な家づくりを進めるヒントを紹介します。

 

家を建てるとき、

「地鎮祭や上棟式はやる方がいい?」

「六曜や三隣亡の日取りを避けた方がいい?」

といった「縁起ごと」に迷う人は少なくありません。

 

近年は形式を簡略化するケースも多いですが、地域や世代によって重んじる度合いはさまざまです。

 

当コラムでは、

地鎮祭や上棟式などの行事、

六曜・三隣亡、風水や家相といった慣習を

どう考えればよいのかを解説します。

 

気にしすぎず、気持ちよく家づくりを進めるためのヒントを紹介していきます。

 

それでは、まずはコラムの要点を見ていきましょう。

 


・地鎮祭や上棟式は必ずやる儀式ではなく、家づくりの安全や感謝を表す行為で、形式にとらわれず、家族が納得できる方法で行えば十分


・六曜や三隣亡は気遣いの目安程度に考え、親世代や近隣が必要以上に気にする場合は日取りをずらすのも円満に進めるコツですが、気にしすぎないことが大事


・方位や配置を風水基準で決めると、使いにくい間取りになることが多くはあり、気になるようであれば部分的に取り入れて、生活動線や快適性を優先する方が現実的


・もし地域独自の慣習があれば、もちろん強制ではないものの、“地域のつながり”として地元との関係を円滑にする意味で慣習を尊重しておくと安心でしょう


・最終的には「気になるならやる」が正解であり、縁起や慣習は「信じた分だけ意味があるもの」。不安を残すよりも、自分や家族が心地よく感じる形を選ぶことが、良い家づくりにつながります



1. 地鎮祭・上棟式は必ずやる儀式?


地鎮祭・上棟式は必ずやる儀式?

家づくりを進める中で、多くの人が迷うポイントとして「地鎮祭」や「上棟式」を行うかどうか?です。

 

これらは長く日本で受け継がれてきた家づくりの節目となる行事ですが、必ず行わなければならないものではありません。

 

地鎮祭とは、工事を始める前に土地の神様へ工事の安全と家の繁栄を祈る儀式です。

 

一般的には神主を招いて行い、米・塩・酒などを供え、敷地の四隅を清めます。

初穂料(神主へのお礼)は3〜5万円程度が目安です。

 

最近では、神主を呼ばずに家族だけで塩や酒をまく簡易的な地鎮祭もあり、

形式にとらわれず「感謝の気持ちを込めること」を重視する傾向が強まっています。

 

一方、上棟式は建物の骨組みが完成し、棟木を上げる際に行う儀式です。

 

もともとは大工や職人へ感謝し、工事の無事を祈る行事で、餅まきやご近所への振る舞いなどが行われていましたが、

最近では「職人へのお礼」として飲食をふるまったり、「家族で感謝の言葉を伝える」だけのシンプルな形も増えています。

 

こうした行事は「やるか・やらないか」ではなく、「どんな気持ちで行うか」が本質です。

 

地鎮祭も上棟式も、

「安全に工事が進み、家族が幸せに暮らせますように」

という想いを表す行為であり、必ずしも決まった形式に従う必要はありません。

 

費用や準備の負担を感じて無理に行うよりも、

自分たちの気持ちを込めて感謝を伝える方法を選ぶ方が、

心の満足度も高くなります。

 

気になるようであれば、

地元の神社などに相談することで、

地域の慣習に合った進め方を教えてくれるでしょう。



2. 六曜・三隣亡は“気遣いの目安”程度に


六曜・三隣亡は“気遣いの目安”程度に

 

家づくりの日取りを決める際、

六曜(大安・仏滅など)や

三隣亡(建築関係の工事をすると自分の家と近隣3軒まで災いが及ぶとされる建築上の凶日)

を気にする人も少なくありません。

 

六曜は中国の暦注に由来するもので、実は科学的根拠はありません。

 

三隣亡は上棟に不向きな日とされますが、江戸時代の迷信からきています。

 

現代の建築会社や神社では、日取りにこだわらないケースが多いのが実態ですが、

親世代や近隣が気にする場合は、日取りをずらすことでトラブルを防ぎ、円満に進められるというメリットがあります。

 

ここで重要なのは「迷信に縛られすぎないこと」です。

 

工事の安全や快適な住まいづくりには直接影響がないため、日程は家族の都合や天候を優先するのが現実的です。

 

六曜や三隣亡はあくまで目安と考え、気にする部分だけを取り入れるくらいがバランスの良い判断です。

 

縁起を気にするかどうかは家族の価値観次第であり、気にしすぎず、安心して家づくりを進めることが大切と言えるでしょう。



3. 風水・家相は“暮らしやすさ”とのバランスを


風水・家相は暮らしやすさとのバランスを

 

家づくりにおいて、風水や家相を気にする方もいらっしゃいます。

 

風水は中国に由来する環境思想で、家相は日本で発展した方位学です。

 

どちらも、家の方位や間取り、鬼門・裏鬼門などを重視し、運気や健康に影響すると考えられています。

 

しかし、全面的に取り入れると、生活動線が悪くなったり、

家具の配置が制限されたりするなど、使い勝手に支障が出ることも少なくありません。

 

現代の家づくりでは、風水や家相は「暮らしやすさ」と両立させることが重要です。

 

たとえば玄関やトイレ、寝室の方位が気になる場合は、部分的に取り入れるだけでも心理的な安心感を得られます。

 

重要なのは、光や風の通り道、収納のしやすさ、家族の生活動線といった現実的な快適性を優先することです。

 

また、信じる範囲は家族ごとに異なるため、すべてを徹底する必要はありません。

 

「ここだけは気になる」というポイントを押さえ、残りは自由に設計することで、心地よく暮らせる家を実現できます。

 

風水や家相はあくまで「安心を補助するツール」と考え、

使いすぎず、信じすぎず、暮らしやすさを最優先にする姿勢が現実的です。



3−1.代表的な風水・家相

代表的な風水・家相

 

風水や家相には、家づくりでよく意識される代表的なポイントがあります。

 

科学的根拠は薄いものの、心理的な安心感などを重視される方は、以下の表を参考にしてみてください。

 

ただし、風水や家相にも諸説ある場合がありますので、あくまで参考程度にお考えください。

 

部屋

内容

推奨方位

玄関

・家の顔となる入口で、気の入り口とされる

・明るく清潔に保ち、正面に壁がないとよいとされる

東・南東

キッチン

・火と水の要素が集中する場所

東・南東

トイレ

・不浄の場所として鬼門や裏鬼門を避けるとされる

・北東(鬼門)、南西(裏鬼門)を避ける

北東・南西

以外

寝室

・頭の向きを北や東にすると良いとされる

北・東

リビング

・採光・風通し・家具配置を整えて気の流れを確保

南・南東



4. 慣習は“地域とのつながり”として尊重する選択肢も


慣習は“地域とのつながり”として尊重する選択肢も

 

家づくりを進めるうえで、稀に地域独自の慣習やしきたりが存在することがあります。

 

地域の歴史や文化に根ざした習慣が家づくりの節目に影響するかも知れない、と気になるかもしれません。

 

愛知県では一部地域で、地鎮祭や上棟式に神主を呼び、餅まきやご近所への挨拶を行う習慣があります。

 

このような慣習・地域との関係性などが気になる場合、

和光地所でも下調べをしたり、地域の方に聞き込みをすることもありますが、

これらはあくまで、必ず従わなければならないものではありません。

 

ただ、慣習を尊重するメリットは、単に形式を守ることではなく、

地域の人との関係を円滑にすることです。

 

特に土地付き住宅では近隣との関係が日常生活に影響するため、

挨拶や小さな儀式を取り入れることで、心理的な安心感が得られます。

 

もちろん、やりすぎる必要はなく、家族が納得できる範囲で行うのが現実的です。



5.まとめ


まとめ

 

家づくりに関わる地鎮祭や上棟式、六曜・三隣亡、風水や家相、地域の慣習などは、どれも絶対的な正解があるわけではありません。

 

重要なのは、

自分や家族が安心して納得できるかどうかではないでしょうか。

 

形式にとらわれすぎたり、迷信に縛られたりすると、

家づくりの本来の目的である「快適で安心な住まい」が見えにくくなります。

 

もし少しでも気になることがあれば、簡単に取り入れるだけでも心理的な安心感につながります。

 

逆に、気にならない場合は無理に従う必要はなく、家族全員が心地よく感じられる方法で進めることが大事です。

 

家づくりは一生に一度の大きなイベントなので、

不安を残したまま進めるよりも、「気になるならやる、気にならなければやらない」

という柔軟な姿勢で選択する方が、結果的に満足度の高い家づくりにつながります。

 

最終的には、形式や迷信よりも、

家族の価値観や安心感を優先することが、心地よい新居生活への一番の近道です。

 

和光地所では、土地の下調べなども入念に行って、土地の仕入れをしています。

 

建売の土地はもちろん、注文住宅の土地でも変わりなくしっかりとした調査をしていますので、

土地・間取り設計などで気になっている方もお気軽にご相談ください。